石膏ボードは、壁や天井の“下地材”として欠かせないものです。「建築物には必ず使用されている」と言っても過言ではないでしょう。ですから、建物を解体すると、大量に石膏ボードの廃棄物が出ます。これを細かく壊す機械を破砕機と言うんです。 石膏ボードの破砕は難易度が高いので、どこでも対応できる訳ではありません。県内では数社しか扱えず、取り扱い量では弊社は県内ナンバーワンです。
今回、新型の石膏ボードリサイクルプラントを建設することになった理由は2つあります。ひとつは年々増加する廃棄物の処理能力を高めたいということ。このプロジェクトによって、処理能力は従来の3〜4倍にアップしました。もう1つには破砕性能の向上です。今までより粒度を小さく(細かく破砕)することができるようになりました。このことは、今後の当社の事業展開に大きな可能性を秘めているんです。
現在、集荷した石膏ボードは破砕機で処理を行った後、最終処理を別の業者さんに有償でお願いしています。つまり、処理費用をお支払いしている訳です。これが、破砕性能の向上により状況はガラリと変わります。これまでより粒度を小さくすることができれば、粉砕した石膏ボードを建材としてリサイクルできる可能性が生まれるんです。 今まで廃棄物としてお金をお支払いして処理を依頼していたものが、原材料として販売できるようになるかもしれない。廃棄物事業におけるキラーコンテンツ。早く実現したいですね。
上記のプラントとは別に、最終処分場の増設プロジェクトにも携わっています。最終処分場とは、リサイクルが困難なものを埋め立て処分する施設のこと。これを建設するには地域の方の理解が不可欠です。130年以上の長い歴史の中で、地域との信頼関係を築いてきた田村ビルズグループだからこそ、実行可能なプロジェクトとも言えます。
かくいう私も社長の田村も、この地域の出身。最終処分場がある地域を源流とする川の水で育ってきました。そういう意味で、この地域の自然や水質を守っていきたいという想いは人一倍強い。この地域に根付き、この地域に育てていただいた会社として、できる限りの恩返しをしていきたいと思っています。