冷蔵庫の奥から、いつ買ったか思い出せない野菜が出てきた。気づいたら賞味期限が過ぎていたヨーグルトを、ちょっと罪悪感を感じながら捨てた――。そんな経験、きっと誰にでもありますよね。
実は、毎年10月は国が定める「食品ロス削減月間」、そして10月30日は「食品ロス削減の日」です。日本の食品ロスは年間461万トン。そのおよそ半分は、私たちの家庭から出ています。
この記事では、家庭の食品ロスの現状を国のデータで確認しながら、今日からできる対策7つ、意外と知らない賞味期限と消費期限のちがい、そして「食材を使い切れる」冷蔵庫・キッチンづくりのコツまでまとめました。難しいことはひとつもありません。できることから、ゆるっと始めてみませんか。
INDEX

食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。農林水産省と環境省の推計によると、2024年度(令和6年度)の日本の食品ロスは461万トンでした。内訳は次のとおりです。
| 年度 | 家庭系 | 事業系 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2000年度 | 433万トン | 547万トン | 980万トン |
| 2020年度 | 247万トン | 275万トン | 522万トン |
| 2023年度 | 233万トン | 231万トン | 464万トン |
| 2024年度 | 224万トン | 237万トン | 461万トン |
| 2030年度(目標) | 216万トン | 219万トン | 435万トン |
2000年度の980万トンから見ると、半分以下まで減ってきました。家庭系は前年度から9万トン減って224万トン。国は家庭系の食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減(216万トン)する目標をかかげていて、あと8万トンほどのところまで来ています。
ゴールはもう目の前。だからこそ、私たち一人ひとりの台所での小さな工夫が、最後のひと押しになります。

461万トンと言われてもピンときませんが、1人あたりにすると、ぐっと身近になります。
(いずれも消費者庁による2024年度の推計。経済損失や排出量は家庭以外の部門も含めた合計を人口で割った値です)
食べものを捨てるということは、それを育て、運び、調理するのに使ったお金やエネルギーも一緒に捨てているということ。さらに捨てた食品を燃やすときにもCO2が出ます。食品ロスを減らすことは、家計にも地球にもやさしい取り組みなんです。
食品ロスの削減は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」に直結するテーマです。日本では2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が施行され、この法律にもとづいて毎年10月が「食品ロス削減月間」になりました。

消費者庁の特設サイト「めざせ!食品ロス・ゼロ」で紹介されているポイントをもとに、家庭ですぐ始められる対策を7つにまとめました。全部やらなくても大丈夫。気になったものからチェックしてみてください。
▼ 家庭の食品ロス対策チェックリスト
このほか、飲食店の売れ残りなどを安く買えるフードシェアリングのサービスや、食べきれない期限内の食品をフードバンクに寄付する方法もあります。自治体や大型スーパーなどで受け付けていることもあるので、お住まいの地域の情報をのぞいてみてください。

「期限が切れたから捨てる」の前に、どちらの期限なのかを確認してみましょう。消費者庁の説明をもとに整理すると、次のようになります。
| 賞味期限 | 消費期限 | |
|---|---|---|
| 意味 | おいしく食べることができる期限 | 過ぎたら食べない方がよい期限 |
| 過ぎたら? | すぐに食べられなくなるわけではない。においや見た目を確かめ、加熱するなど調理を工夫して | 食べない。期限内に食べきれる量を買うのがポイント |
| 共通の注意 | どちらも未開封で、表示どおりに保存した場合の期限。開封したら期限にかかわらず早めに食べきる | |
賞味期限が少し過ぎただけでまだおいしく食べられる食品を、「期限切れ」というだけで捨ててしまうのはもったいないこと。一方で、消費期限は安全にかかわる期限なので、こちらは守ることが大切です。「賞味」はおいしさ、「消費」は安全と覚えておくと、迷いにくくなりますよ。

食品ロスの多くは、「あるのを忘れていた」ことから生まれます。つまり、食材が見える・取り出しやすいキッチンにするだけで、ロスはぐっと減らせるんです。
消費者庁は、冷蔵庫の整理のポイントとして次のようなことを呼びかけています。
おすすめは、目線の高さに「早く食べるものコーナー」をつくること。開けるたびに目に入るので、使い忘れがぐっと減ります。
缶詰やレトルト食品などのストックは、パントリーや食品棚に立てて並べる・ラベルを手前に向けるだけで在庫が見える化できます。消費者庁は、災害に備えて食料を備蓄しつつ、食品ロスにならないよう普段の食事に活用することもすすめています。食べた分を買い足していく「ローリングストック」なら、備えと食品ロス対策が同時にかないます。
冷蔵庫から作業台、コンロまでの動きがスムーズだと、料理そのものがラクになり、「今日は面倒だから買ってきたもので…」が減ります。収納が足りない、冷蔵庫の置き場所が使いにくい――そんなモヤモヤは、キッチンまわりのリフォームや住み替えを考えるときの大事なヒントにもなります。
10月30日の「食品ロス削減の日」に、家族で冷蔵庫の中を一緒にのぞいてみるのはいかがでしょう。「これ、今日のごはんに使おうか」――そんな会話から、台所のSDGsが始まります。
田村ビルズグループは、山口・九州を拠点に、中古住宅を買い取ってリフォームし次の家族へお届けする「LFB再生住宅」をはじめ、新築住宅、リフォーム工事、売買仲介、賃貸まで、住まいに関わることをグループでお手伝いしています。また、建設廃棄物のリサイクルを行う環境リサイクル事業も展開し、「捨てる」を減らして資源を循環させる取り組みを続けています。
「パントリーがほしい」「冷蔵庫の置き場所が使いにくい」「家族が増えてキッチンが手狭になった」。毎日の台所のモヤモヤも、住まいを見直すきっかけのひとつです。ムダなく、気持ちよく暮らせる住まいづくりを、地域を知るスタッフが一緒に考えます。
参考:消費者庁「食品ロス量の推移と削減目標」「