物件情報の見方ガイド|「駅徒歩○分」「新築」のルールを知って住まい探し

スマホで物件サイトをながめていると、「駅徒歩8分」「新築」「3LDK」「格安!」…と、いろいろな言葉が並んでいますよね。でも、「徒歩8分って、本当に8分で着くの?」「“新築”って、いつまで新築なの?」と思ったことはありませんか?

実は、不動産の広告や物件情報には、表示のしかたについて決められたルールがあります。ルールを知っておくと、物件情報の「読み方」がぐっとクリアになり、住まい探しで迷ったり、思い込みで判断したりすることが減ります。

この記事では、不動産業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」をもとに、物件情報の見方をやさしく解説します。駅からの徒歩分数の計算方法、「新築」や「LDK」の定義、使い方が制限されている言葉、見落としたくない注意表示、そして「おとり広告」にまどわされないためのチェックリストまで。これから部屋探し・家探しをはじめる方は、ぜひ参考にしてください。

物件情報の見方の基本|広告には「表示のルール」がある

チラシやポータルサイト、不動産会社のホームページなど、物件情報が載る場所はさまざまです。どの媒体でも、不動産会社が広告を出すときに守る共通のルールが「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下、表示規約)です。

表示規約は、不動産業界がつくった自主ルール。全国の各地区にある「不動産公正取引協議会」が、不動産広告の内容が正しいかどうかを審査・調査しています。直近では2022年9月1日に改正版が施行され、インターネット広告の時代に合わせた見直しも行われました。

表示規約にはたくさんの決まりがありますが、物件情報を読む私たちが知っておくと便利なのは、大きく次の4つです。

ポイントどんなルール?
① 距離・時間「駅徒歩○分」の計算方法や、電車の所要時間の出し方
② 言葉の意味「新築」「LDK」「畳」などの定義
③ 使える言葉「最高」「格安」など、根拠がないと使えない言葉
④ 注意の表示「再建築不可」「セットバック」など、必ず書くべき注意事項

ひとつずつ見ていきましょう。

「駅徒歩○分」は80m=1分で計算|距離と時間の読み方

物件情報でいちばん気になるのが、駅までの距離ですよね。表示規約の施行規則では、徒歩の所要時間は「道路距離80メートルにつき1分」として計算し、1分未満の端数は1分に切り上げると決められています。

たとえば、物件から駅まで道のりで650mなら、650÷80=8.125。端数を切り上げて「徒歩9分」と表示されます。地図上の直線距離ではなく、実際に歩く道路の距離で計算するのがポイントです。

どこから、どこまで測るの?

2022年の改正で、測り方もよりわかりやすくなりました。

  • 向き:駅から物件ではなく、物件から駅へ向かう場合の所要時間を表示
  • 起点:土地は区画のうち駅に最も近い地点、マンション・アパートは建物の出入口
  • 終点:駅などの施設の出入口
  • 分譲地など:住戸や区画が複数あるときは、いちばん近いものと遠いものの両方を表示

電車の所要時間は「朝の通勤時間帯」が基本

「○○駅まで電車で○分」という表示は、朝の通勤ラッシュ時の所要時間を示すことになっています(平常時の時間は、その旨を書いて併記できます)。乗り換えが必要な場合は、そのことと、乗り換えにおおむねかかる時間も含めて表示するルールです。

ただし、80m=1分はあくまで計算上の目安。坂道や信号、踏切の待ち時間などは人によって感じ方も違います。気になる物件があったら、実際に駅まで歩いてみるのがいちばん確実ですよ。

「新築」「LDK」「畳」…物件情報でよく見る言葉の定義

何気なく読んでいる言葉にも、きちんとした定義があります。知っておくと、物件同士をくらべるときにも役立ちます。

言葉表示規約での意味
新築建築工事完了後1年未満で、居住の用に供されたことがない(まだ誰も住んでいない)もの
畳(じょう)畳1枚あたり1.62㎡以上の広さという意味で使う
DK・LDK居室の数に応じて、その用途に必要な広さ・形状・機能があるもの
納戸 など採光や換気の基準を満たさず、「居室」と認められない部分は、その旨を「納戸」などと表示
新発売新たに造成された宅地や新築住宅などで、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと

たとえば、完成から1年以上たった物件や、一度でも人が住んだ物件は、表示規約上は「新築」とは呼べません。「築浅」「未入居」など別の言葉で紹介されていることもあるので、築年月や入居歴もあわせてチェックしてみてください。

また、間取り図で「6畳」と書かれていても、部屋の形や柱の位置で使い勝手は変わります。家具を置く予定がある方は、㎡(平米)表示もあわせて確認すると安心です。

「最高」「格安」は根拠が必要|使い方が制限される言葉

思わず目を引く「格安!」「最高の住環境」といったフレーズ。実は表示規約では、こうした言葉は裏付けとなる合理的な根拠を示す資料がなければ使えないとされています。

タイプ言葉の例
いちばんを意味する言葉最高、最高級、極、特級 など
とても安い印象を与える言葉掘出、格安、激安、破格、特安 など
全く欠けるところがないことを意味する言葉完全、完ぺき、絶対、万全 など
他社より優れていることを意味する言葉日本一、業界一、超 など
特別に選んだことを意味する言葉特選、厳選 など
売り切れを意味する言葉完売 など

このうち「最高」や「格安」のような言葉は、その根拠となる事実をあわせて書く場合に限って使えることになっています。

読み手としては、強い言葉が出てきたら「何と比べて?」「根拠は書いてある?」と、一歩立ち止まって読むのがコツ。言葉の勢いではなく、価格・面積・築年数・立地といった中身でくらべるクセをつけると、物件選びの精度がぐっと上がります。

「値下げしました」の表示にもルールがある

「○○万円→○○万円に値下げ」といった表示(二重価格表示)にも決まりがあります。過去の価格と比べる場合は、値下げ前の価格の公表日と値下げした日を明示すること、値下げ前に2か月以上公表されていた価格であること、表示できるのは値下げ日から6か月以内であること、などが定められています。

見落としたくない「注意の表示」|再建築不可・セットバック・建築条件付き

物件情報のすみに、小さな文字で書かれていることが多い注意事項。でも、ここには住まいの将来に関わる大事な情報が詰まっています。表示規約では、次のような事項は必ず書くよう定められています。

再建築不可

建築基準法上の道路に2メートル以上接していない土地などは、「再建築不可」または「建築不可」と表示することになっています(一定の例外あり)。今の建物を取り壊したあと、新しく建て替えられない可能性があるということ。価格が手ごろな理由になっていることもあるので、購入を考えるなら内容をしっかり確認しましょう。

セットバック

前面の道路の幅を確保するために、敷地の一部を道路として後退させる必要がある土地は、その旨を表示します。後退部分の面積がおおむね10%以上なら、その面積も明示するルールです。表示されている土地面積が、まるごと使えるとは限らない点に注意が必要です。

建築条件付き土地

土地の売買で、建物を建てる会社などが決まっているケースです。土地の取引であること、建築条件の内容、条件が成立しなかったときの扱いなどを明示することになっています。

こうした表示を見つけたら、問い合わせのときに「これはどういう意味ですか?」「この物件だとどう影響しますか?」と、遠慮なく聞いてみてください。

「おとり広告」にまどわされない|問い合わせ前のチェックリスト

表示規約では、いわゆる「おとり広告」も禁止されています。具体的には、次のような物件を広告することです。

  • 実際には存在しないため、取引できない物件
  • 存在はするが、実際には取引の対象にならない物件
  • 存在はするが、実際には取引する意思がない物件

すでに契約済みの物件が載ったままになっているケースもあるので、気になる物件を見つけたら、次のポイントを確認してから問い合わせるとスムーズです。

▼ 物件情報 問い合わせ前のチェックリスト

  • ☐ 掲載日・更新日が新しいか
  • ☐ 周辺の相場とくらべて、極端に安すぎないか
  • ☐ 所在地・価格・面積・築年月など、基本情報がそろっているか
  • ☐ 「再建築不可」「セットバック」などの注意表示がないか
  • ☐ 「駅徒歩○分」を、地図アプリで実際の道のりと照らし合わせたか
  • ☐ 問い合わせたら「その物件はもうない」と、別の物件ばかり勧められないか

「この広告、ちょっとおかしいかも?」と感じたときは、各地区の不動産公正取引協議会が不動産広告の相談先になっています。全国の協議会は不動産公正取引協議会連合会のサイトから確認できます。

まとめ:物件情報は「ルールを知って」読むと、もっと楽しくなる

  • 物件情報には、業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」がある
  • 「駅徒歩○分」は道路距離80m=1分、端数は切り上げ。マンションは建物の出入口から
  • 電車の所要時間は朝の通勤時間帯が基本。乗り換え時間も含めて表示
  • 「新築」は完成後1年未満・未入居。1畳は1.62㎡以上
  • 「最高」「格安」などは根拠がないと使えない言葉
  • 「再建築不可」「セットバック」などの注意表示は必ずチェック
  • 問い合わせ前に、掲載日や基本情報をチェックしておとり広告にまどわされない

ルールを知っていると、物件情報の一行一行から、その家の暮らしが少しずつ見えてきます。気になる物件があったら、情報を読み込んで、実際に歩いて、見て、確かめてみてくださいね。

山口・九州の住まい探しは、地元を知る田村ビルズグループへ

田村ビルズグループは、山口県・福岡県・熊本県で売買仲介専門店「ハウスドゥ」を展開しているほか、買い取った住宅をリフォームしてお届けする「LFB再生住宅」、九州・山口の新築建売住宅、賃貸物件のご紹介や管理まで、住まいに関わることをグループでお手伝いしています。また、不動産情報を地図上でまとめて見られるサービス「スモーラ」の運営など、住まいの情報をわかりやすく届ける取り組みも行っています。

「この物件情報の、この表示ってどういう意味?」「駅までの道のりや周辺環境を、地元の目線で教えてほしい」。そんな小さな疑問も大歓迎です。物件情報を一緒に読み解きながら、納得のいく住まい探しをお手伝いします。

参考:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」「表示規約・同施行規則の主な改正点(リーフレット)」(2022年9月1日施行)。本記事は規約の内容をわかりやすく要約したものです。個別の物件や広告の判断については、各地区の不動産公正取引協議会や不動産会社にご確認ください。

■ 出典

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