山口の空き家率は19.4%|放置のリスクと「再生」で未来へつなぐ方法

実家を離れて何年もたつけれど、誰も住んでいない家が気になっている。親から相続した家を、どうしたらいいのか決められないまま時間だけが過ぎている――。そんなモヤモヤを抱えている方は、実は少なくありません。

2023年の国の調査では、全国の空き家は900万2千戸で過去最多になりました。そして山口の空き家率は19.4%と、全国平均を大きく上回っています。数字だけ聞くと少しドキッとしますが、見方を変えれば、まだ使える家がまちの中にたくさん眠っているということでもあります。

この記事では、山口の空き家の現状を一次データで確認しながら、空き家を放置したときのリスク、SDGsとのつながり、そして空き家を「再生」して次の世代へつなぐための選択肢をわかりやすくまとめました。「うちのことかも」と思った方も、そうでない方も、まちの未来を考えるきっかけにしていただけたらうれしいです。

山口の空き家率は19.4%|数字で見る全国と山口の空き家事情

総務省統計局が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」。その最新版(令和5年=2023年)の結果から、全国と山口県、お隣の福岡県の数字を並べてみました。

空き家率使用目的のない空き家の割合
(賃貸・売却用、別荘などを除く)
全国13.8%(過去最高)5.9%
山口県19.4%11.1%
福岡県12.4%4.6%

注目したいのは右側の「使用目的のない空き家」です。賃貸用や売却用として次の住み手を待っている家とは違い、住む予定も、貸す・売る予定もない家のこと。全国ではこのタイプが385万6千戸あり、2018年から36万9千戸増えました。山口県ではその割合が11.1%と、全国の約2倍です。

山口県は、海あり山あり、都市部と農山漁村が混ざり合う地域。進学や就職で県外へ出た子ども世代が戻らず、親世代が施設に移ったり亡くなったりしたあと、実家がそのまま残る……というケースは、どの地域でも身近な話になりつつあります。

空き家を放置するとどうなる?知っておきたい4つのリスク

「とりあえずそのままにしておこう」は、いちばん手軽な選択に思えます。でも、家は人が住まなくなると意外なほど早く傷んでいくもの。放置した場合に起こりやすいことを4つに整理しました。

1. 建物が傷みやすくなる

窓を開けて空気を入れ替えたり、水道を流したりする人がいないと、湿気がこもってカビや腐朽、雨漏りが進みやすくなります。気づいたときには直すのが大がかりになっていた、ということも。

2. 防犯・景観の不安

庭木や雑草が伸び放題になったり、ごみが投げ込まれたり。人の気配がない家は、ご近所にとっても心配のタネになりがちです。

3. お金がかかり続ける

住んでいなくても、固定資産税や火災保険、草刈りや修繕などの管理費は毎年かかります。遠方に住んでいれば、様子を見に行く交通費や時間も必要です。

4. 税金の特例が外れることも

2023年12月13日に施行された改正空家法では、適切な管理が行われておらず、そのまま放置すると「特定空家」になるおそれのある空き家を「管理不全空家」として、市区町村が指導・勧告できる制度が設けられました。
管理不全空家として市区町村から勧告を受けた場合、その敷地は固定資産税等の「住宅用地特例」の対象外となることがあります。
また、総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、賃貸・売却用や二次的住宅などを除く空き家は全国で385万戸となり、2018年の349万戸から増加しています。

空き家問題とSDGsのつながり

空き家は「個人の家の問題」と思われがちですが、実はSDGs(持続可能な開発目標)とも深くつながっています。

  • 目標11「住み続けられるまちづくりを」:空き家に再び人が住むと、まちに明かりと人の流れが戻ります。商店や学校、地域の行事を支える力にもなります。
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」:今ある建物を直して長く使うことは、新しく建てるために必要な資材や、解体で出る廃材を減らすことにつながります。

以前TAMURA MEDIAでご紹介した「解体・リフォームの廃材はどこへ?」の記事でもお伝えしたように、建物を壊すときには大量の廃材が出ます。もちろん解体が必要な家もありますが、「まだ使える家を活かす」という選択肢を持っておくことは、地球にもまちにもやさしい考え方です。

空き家を活かす5つの選択肢|家族で話し合うときのチェックリスト

空き家の活かし方は、大きく分けて次の5つ。どれが正解ということはなく、建物の状態や立地、家族の気持ちによってベストな答えは変わります。

選択肢こんな人に向いている考えておきたいこと
住むUターンや二拠点生活を考えている今の暮らしに合わせた改修の範囲
貸す手放さずに活用したい入居前の修繕、管理を誰が担うか
売る管理の手間から解放されたい相続登記などの名義、家財の片付け
再生して次の家族へ家を壊さず、誰かに住み継いでほしい買取・リフォーム・再販をまとめて任せられる相談先
土地を活かす建物の傷みが大きい解体費用、その後の土地の使い道

▼ 家族で話し合う前のチェックリスト

  • ☐ 家の名義は誰になっている?(相続登記は済んでいる?)
  • ☐ 最後に中の様子を見たのはいつ?雨漏りや傷みはない?
  • ☐ 家財や思い出の品は、どれくらい残っている?
  • ☐ 固定資産税や管理費は、年間いくらかかっている?
  • ☐ 「住む・貸す・売る」について、家族それぞれの希望は?
  • ☐ 数年以内に誰かが使う予定はある?

全部に答えが出ていなくても大丈夫。書き出してみるだけで、話し合いがぐっと進みやすくなります。お盆やお正月など、家族が集まるタイミングにぜひ話題にしてみてください。

「再生住宅」という選択|空き家をよみがえらせて次の家族へ

5つの選択肢のうち、ここ数年注目されているのが「再生」という考え方です。使われなくなった家を買い取り、傷んだところを直して、今の暮らしに合う住まいによみがえらせてから、次の家族へ届ける。新築とは違う、中古住宅ならではの価値をもう一度引き出す方法です。

住む人にとっては、新築より手の届きやすい価格で、リフォーム済みの家に住めるのが魅力。手放す人にとっては、思い出の詰まった家が壊されずに誰かの暮らしの舞台として続いていく、という安心感があります。そして地域にとっては、空き家がひとつ減り、まちの風景が明るくなる。関わる人みんなにとって「うれしい」がつながるのが、再生のいいところです。

田村ビルズグループでも、この「再生」を大切な取り組みのひとつとして続けてきました。山口・九州で、中古住宅を買い取ってリフォームし、次の住まい手へお届けする「LFB再生住宅」を手がけています。建物だけでなく、地域や社会の再生も目指して――。それが私たちの想いです。

まとめ:空き家は「まちの資源」。早めの一歩が未来を変える

全国の空き家は900万2千戸で過去最多、空き家率13.8%は過去最高
山口の空き家率は19.4%、使用目的のない空き家の割合は11.1%で全国の約2倍
放置すると、建物の傷み・防犯・管理費に加え、改正空家法で税の特例が外れることも
空き家の活用は、SDGsの目標11・12につながる取り組み
「住む・貸す・売る・再生する・土地を活かす」の5つから、家族で早めに話し合いを

空き家は、放っておけば負担になりますが、手をかければ誰かの新しい暮らしの舞台になります。まずは家族で「あの家、どうしようか」と話してみるところから始めてみませんか。

空き家・実家のこと、田村ビルズグループに気軽にご相談ください

田村ビルズグループは、山口・九州を拠点に、中古住宅の買取・再生、売買仲介、リフォーム、賃貸、新築住宅まで、住まいに関わることをグループでまとめてお手伝いしています。

「売るか貸すか、まだ決めていないけれど話だけ聞いてみたい」「遠方に住んでいて、実家の状態がわからない」。そんな段階のご相談も大歓迎です。地域を知るスタッフが、ご家族の想いに寄り添いながら一緒に考えます。

参考:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(2024年9月25日公表)、国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」概要(2026年10月時点)。税制や制度の詳細は、お住まいの市区町村や専門家にご確認ください。

■ 出典

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