自由学園 明日館を訪ねて

東京都豊島区西池袋 重要文化財「自由学園明日館」

田村ビルズ
Yuta Okano/岡野 裕太

中庭を囲う建物 軒高が低い「プレーリースタイル」と呼ばれる建築スタイル

今回は日本を代表する建築物のご紹介です。
「建築物シリーズ」として今後も世界中の建築物をご紹介できたらなと思っています。

さて、今回は「自由学園明日館」です。
有名な建築家フランク・ロイド・ライトが日本で設計し、ほぼ完全な形で現存する建物が、この自由学園明日館です。

フランク・ロイド・ライトは「近代建築の三大巨匠」として有名ですが、身近なものでは「カーポート」の名付け親としても知られています。

(※私も新築の仕事柄「カーポート」にはお世話になっております。)

フランク・ロイド・ライト

彼を象徴する設計スタイルとして「プレーリースタイル(草原様式)」があります。特徴としては、当時シカゴ周辺の住宅にあった屋根裏、地下室などを廃することで建物の高さを抑えたこと、水平線を強調した佇まい、部屋同士を完全に区切ることなく、一つの空間として緩やかにつないだことなどがあげられます。

プレーリースタイルの代表作「ロビー邸」

このスタイルで1893年から1910年の間で約200件近い建築がされていたとか…

そしてこのスタイル、現代を生きる我々が見ても全く古さを感じない「かっこいい」「洗練された」「おしゃれな」デザインだと私は思います。

デザイナーでもない私が言うのは甚だ恐縮ですが、素晴らしいデザインというのはいつの時代でも評価されるものであり、その本質はいたってシンプルなものなのでしょうね。(是非「フランク・ロイド・ライト 建築物」で検索してその美しさに魅了されてください)

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さて、話を戻します。
自由学園は婦人之友社の創業者でもある羽仁吉一・もと子夫妻によって、大正10年(1921)に創立された女学校です。夫妻の友人である遠藤新がライトの助手でもあったという縁からライトがこの設計に携わったとされています。

限られた建築予算の中、幾何学模様の木サッシを使いデザイン性を高めた

まるでステンドガラスかのような美しさを演出している

軒高が低く、天井の低い廊下が続く

さきほどの廊下はこの写真の左に写る部分。軒高の低さはプレーリースタイルの特徴

建物内も天井の低い廊下が続く

そして、天井の低い廊下を抜けると一気に解放感を感じるホールにつながる 空間演出が凄い

いかがでしたでしょうか。たまには美しい建築物を眺めたり、その歴史から何かを感じたりする時間をつくるのもいいですよね。東京に行かれる際は是非一度自由学園明日館を訪ねてみてください。

作者プロフィール

田村ビルズグループ 広報
岡野 裕太 Yuta Okano
福岡市出身。大学卒業後田村ビルズへの入社をきっかけに山口市へ。不動産売買仲介、空き家再生、新築戸建住宅事業、新築アパート事業を担当し、現在は広報活動にも注力。妻と2人の娘と暮らす31歳です。

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