Riko Shigefuji/重藤 理子
2022年11月のLFB RADIOのゲストにお越しいただいた、社会起業家の平原依文(ひらはらいぶん)さん。幅広い世代へのSDGs教育のため「地球を一つの学校にする」をミッションに掲げるWORLD ROADを設立され、現在は「境界線を溶かす」をミッションに掲げるHI合同会社代表を務めておられます。その他、青年版ダボス会議日本代表、Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔100人」に選出されるなど多方面でご活躍の平原さん。ラジオにご出演いただいた後、インタビューにお付き合いいただき、平原さんの活動、そして活動に込められた思いについてお聞きしました。
INDEX
――――ミッションに掲げる「地球を一つの学校にする」を目標にした理由、そしてどのような活動をされているのでしょうか。
平原依文さん:「私は教育の仕組みを変えたいと感じていました。そんなときに出会ったのが同じく共同代表の市川です。彼は福島のいわき市で生まれ育ち、高校生の時に進路相談のため、進路指導室にいった際、赤本しかなかったことを、彼はすごく疑問に感じていました。どうやったら二人が感じたモヤモヤを克服できるのかを考え、その先にあったのが、『誰もが先生になれて、誰もが生徒になれる、そういった教育の在り方をつくりたい』という思いでした。
人は、言葉から学ぶよりも人から学ぶことのほうが、印象に残ります。そうであれば、世界中誰もが主人公になれる、誰もが先生になれて、誰もが生徒になれる、そんな教育の在り方をつくるために、『地球を一つの学校にする』というミッションを掲げてWORLD ROADを設立しました」
――――「地球を一つの学校にする」ために最初に行ったことはなんでしょうか。
平原依文さん:「本を作ることです。人が一番の資産であり、人が一番の学びです。『自分はこんな小さな夢しか持っていない』『自分はこんな小さな町出身だけど、こんな夢を持っていて、こんな取り組みをしている』、それらが誰かの勇気につながったり、誰かの学びになると思います。そんな世界201カ国、202人の夢、そして活動を一冊にした本『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』(いろは出版)を出版しました。
今はその本を軸に、今なかなか行くことができない修学旅行を対話で実現しています。本の中にいる社会起業家の方だったり、学生さんだったり、企業の方だったりを、学生さんとオンラインでお繋ぎして、生で対話をするような授業を展開しています」
――――「境界線を溶かす」をミッションに掲げるHI合同会社についてお聞きしました。
平原依文さん:「夢でもあるのが『社会の境界線を溶かす』ことです。いろんな国々に家族の在り方、仕事の仕方、国と国の関係性など、いろんな境界線があって、それをなくすのではなく、溶かしていきたいな、と思っています。
WORLD ROADでの活動を通じて、SDGsは次世代のためなのに、次世代がいない、会話の中に次世代の子が入っていないということがみえてきました。学校でも授業をさせていただく際に、子どもたちの声が、小学生の時は大きくても、中学生になると周りをみるようになって、高校生になると正解を見つけようとして、どんどん声が小さくなることに違和感を覚えました。意識調査をみると、自己肯定感が日本は先進国だと低いと分かり、これを解決するには、次世代の子に世代の境界線を溶かしてもらう必要があると思いました。
HI合同会社の中には、14歳から20歳までのインターン生が15人ほどいます。その子たちが企業さんに事業提案をして、予算をいただいて、本人たちがオーナーとして、事業責任者として、その事業を引っ張っていきます。『こういうメリットが両者にとってあるんです』とかをリバースメンタリングという形で展開しています。
企業さんはSDGsをボランティアから、SDGsを軸とした新規事業をつくるフェーズに入ってきました。そういった新規事業作りを14歳から20歳までのインターン生の子たちが企業さんと一緒になって、事業を考えているような会社です。未来の消費者であり、生活者である子たちの当たり前が、気候変動だったり、ジェンダーの問題だったり、貧困の問題がすべてになります。それを企業が利益を出しながらもどう解決しているのかが今、そしてこれからは求められています」
――――企業がSDGsに取り組む上で大切にするべきことはありますか?
平原依文さん:「『企業理念に立ち返る』ことが大切だと思います。すべての人の幸せがあってのSDGsなので、幸せになっているのか、『やりたい』と思って楽しんで取り組めているかが大切ですね」
――――「やろう」と思ったことを行動に移されている平原さん。この記事をご覧になっている皆さんにメッセージをお願いいたします。
平原依文さん:「『何事も挑戦、失敗は成長痛』。ラジオでもお話しましたが、挑戦することは大前提で、何かときめいたことや、やりたいなと思ったことがあったら、言葉にすることが大切です。その中で共感してくれる人がいたら、前進できます。少しずつ前に進み、たとえ失敗したとしても歩んだ道が財産になると思います」
――――本日、LFB RADIOのゲストとしてご出演いただきましたが、収録はいかがでしたでしょうか。
平原依文さん:「皆さんが話を引き出してくださって、とても楽しかったです。『次世代の境界線を溶かす』という弊社のミッションを、田村社長が経営者としても社内で感じていらっしゃることを知って、業界は違うとも通ずるものがあるんだと、感じることができました。ありがとうございました」
Epilogue
いかがでしたでしょうか。本当に幅広いお話をたくさんお聞きすることができました。平原さんも仰られていましたが、業界は異なっても通ずるものがありとても嬉しかったです。田村ビルズグループの大切にしている考え方、TAMURAフィロソフィについても共感してくださり、会社としてSDGsはまだ交通整理の段階ですが、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。また平原さんにお会いできたら嬉しいです。ありがとうございました。
■平原依文さんよりお知らせ
「ものさしメディア」
HI合同会社の14歳から20歳までのインターン生が、11月からメディアをつくります。社会のものさし、誰かのものさしではなくて、自分のものさしを判断基準としましょう、というようなものをメッセージとしているメディアです。ぜひ「ものさしメディア」ご覧ください。
田村ビルズグループ 広報
重藤 理子 Riko Shigefuji
山口県宇部市生まれ。生まれも育ちも山口県で、音楽と地元への愛が強いです。地元の音楽フェスには学生の時から毎年参戦。2019年に新卒で田村ビルズに入社し、現在は広報として地元+九州へ田村ビルズグループ内の出来事を日々発信中。