Riko Shigefuji/重藤 理子
2022年11月のLFB RADIOのゲストにお越しいただいた、ヘア・メイクアップアーティストの小椋ケンイチさん。女優やタレント、モデル、女性アスリートなど、のべ400名以上のヘア・メイクを担当され、様々なメディアでメイクによる変身法を女性に伝授する等、「おぐねぇー」の愛称で親しまれ、絶大な支持を集められています。そんな小椋さんにラジオご出演後、インタビューにお付き合いいただき、メイクや美容についてお話をお聞きしました。
INDEX
――――小椋さんは小さい頃から美容に興味があったのでしょうか。
小椋さん:「母が美容師だったので、その影響も大きかったですね。ただ、親と同じ職業は何となく悔しいというか、同じ道はいやだけどなんか近いところにないかな、と思っていました。
そんな高校生の時、あるファッション雑誌をよく読んでいて、好きなページをちぎっていたんです。スクラップブック、マイフェイバリットブックのようなものを作る感覚ですね。そうすると、『こういう色が好き、こういうファッションが好き、こういうメイクアップが好き』っていう、自分の世界観がすごくリアルに見えて、その時にメイクアップって、ヘアってかっこいい仕事だな、と思いました。「カメラマン○○」「スタイリスト○○」「ヘア・メイク○○」って出ていた時に、なんて素敵なかっこいい名前の職業なんでしょう、と思って。そこから、憧れ始めたというのがスタートになりますね」
――――現在ヘア・メイクアップアーティストとしては400名以上を担当していらっしゃるとお聞きしましたが…。
小椋さん:「もっとですね。800人とか、1,000人とかいくんじゃないですかね。一人の人の専属をやらなかったんです。いつもタレントさんのご指名の中の大体3番手くらいに入っているので、1番2番がダメだった時に僕が呼ばれていました。そのおかげもあって、色んな人をフリーで担当しましたね。そんな形でやっているうちに増えていったのかなと思います」
――――初めてお会いする方のメイクをされるとき、心を開かせたり、距離を縮めたり、その人の良さを引き出したりするためのマインドやテクニックはあるのでしょうか。
小椋さん:「ヘア・メイクアップアーティストって、初めましての5秒で、その人の顔を触りだすから、普通ない職業だと思うんです。触れる職業だから、嘘もつけないし。その時の気持ちを全て洗いざらい全部出しちゃいますね。気持ちを見せると、向こうも見せてくれます。むしろお互い警戒心はあって当然だから、こっちが開かないと、絶対開いてくれないですね。心から伝えたいとか、心を通わせて仕事がしたいとか思うので、開いたほうが、見せた方ほうが勝ちじゃないかな、とか思いますね。
かっこつけない、相手に張らない、そんな風に最初からオープンマインドのような気持ちでいくと、あっという間に心が通い合って、楽な環境と時間ができますよ。それはどんな年代だろうと同じですね。ちゃんと聞けばちゃんと答えてくれるっていう、当たり前なことだけど、意外とそれができていなかったりするのかな、と思います」
――――メイクには流行りがあると思うのですが、最近はどのようなメイクが流行っているのでしょうか。
小椋さん:「コロナ直前までは、アイライナーがキリっと引かれた、きついクールな顔の女の人っていう時代でしたね。それまでは、いかにタレ目に見せて目を大きく見せるか、『可愛い』っていうキーワードがほしいっていう時代だったんですけど。
それが終わりを迎えて、可愛い女の人像じゃなくて、キリっとクールでちょっと賢そうな女の人像に変わっていきました。
そんな最中にマスク生活に入ったので、目だけ見えると怖くなってしまったんです。ブームなのでしばらくは続いていたんですけど、マスクの生活が長くなればなるほど、アイラインが引かれなくなって、ちょっと優しい顔になってきました。眉毛もさらに太くなってきて。見えるパーツが穏やかな優しい雰囲気というのが、この時代に色付けられちゃったところではありますね。
そして、茶色いアイシャドウは鉄板です。ただ、ちょっと疲れて見えちゃうと思うんです。だから今は茶色の中でも『オレンジブラウン』。それがアイシャドウで一番人気の色ですね。ピンクとかではなくてオレンジという温かみのある色で、茶色の無難なシャドウの色の要素も入っているので、オレンジブラウンが一番人気ですね。甘いだけじゃなくて、女の人が賢そうにできる女に見える色。それが特徴かな。全世代共通ですね」
――――憧れのメイクとかあっても、自分がなりたい顔と、自分が本当に似合うものが違うので葛藤している人もいると思うのですが…。
小椋さん:「まずは失敗を恐れずにやってみること。今はデパートの何千円のコスメ買わなくても、何百円で同じ色のコスメが買えるから、試してみたらいいと思いますよ。新しいことにチャレンジする人がやっぱり綺麗になっていくし、チャレンジすることで、新しい肌や見た目に変えてくれると思います。
何年も前のお化粧品を大事に使っていると、そりゃ綺麗にしてくれるわけないよね、と思っちゃいますね(笑)化粧品の使用期限は大体2年くらいだから、たまにお化粧ポーチを整理することが大切です。一回リアルに自分の目の前に自分が持っているものを並べると、自分がどうなりたいのかが明確に見えてきます。必要なもの、要らないもの、っていうのをちゃんとリアルに可視化してみることが大事なのかなと思います」
――――「チャレンジする」というお言葉をいただきましたが、記事をご覧になられている方へ、ぜひ応援メッセージをお願いいたします。
小椋さん:「そうですね。まずは綺麗になろうと一回思ってみてください。綺麗になろうと思えば、ちょっと時間を戻せることができます。顔が若々しく綺麗になってくると、背筋も曲がんないで真っすぐになってくるし、心にもつながってきますね。メンタルを整えるのって美容なのかな、なんて思います。ちょっと高い趣味かもしれないけど、自分に返ってくる美容っていうのを、楽しんでほしいなと思います」
――――ありがとうございます。今回田村ビルズグループのラジオに出演いただきましたが、いかがでしたでしょうか。
小椋さん:「男の人を交えて美容のお話をすることが中々ないので新鮮でしたね。良い機会だったので、男の人達にも美容について、全然関係ないよ、という目線じゃなくて、本当に身近なものとして捉えていってくれるといいな、なんて思いますし、男の人たちに、女心や美容に対する思いだったり、好きだったりとかを、理解してもらえるようなキッカケになってよかったのかな、と思います。
化粧品をいっぱい買っても、シャンプーが2種類置いてあっても、ほっといてほしいですね(笑)僕もシャンプー3種類くらいあって、『今日はこの匂いを使いたい』とか『今日はちょっと重めのがいいの』とか気分によって変えているから、バスタイムが楽しくなりますよ。
スキンケアに関する物も男の人たちに遠慮しないで、どんどん使っていく、買っていくのが結局みんなのために返ってくるのかなと思います。綺麗になれる人からなっていってほしいなと改めて思いました」
Epilogue
いかがでしたでしょうか。ラジオでもインタビューでも小椋さんのお話に終始夢中になっていました。美容やメイクのお話を沢山していただきましたが、小椋さんのお話を聞くことでこれまで美容に興味があった方は更に、そしてそうでなかった方も興味を持ったり、受け入れられるキッカケになったのではないでしょうか。小椋さんはインスタライブを定期的にされています。視聴者さんのお悩みにお答えしたり、美容に関する情報が詰まったライブになっているので、ぜひ皆さんものぞいてみて下さい。
田村ビルズグループ 広報
重藤 理子 Riko Shigefuji
山口県宇部市生まれ。生まれも育ちも山口県で、音楽と地元への愛が強いです。地元の音楽フェスには学生の時から毎年参戦。2019年に新卒で田村ビルズに入社し、現在は広報として地元+九州へ田村ビルズグループ内の出来事を日々発信中。