株式会社サンウエスパ代表取締役 原有匡さんに聞く。

株式会社サンウエスパ代表取締役 原有匡さん

Riko Shigefuji/重藤 理子


2023年1月のLFB RADIOのゲストにお越しいただいた、原有匡さん。前職の古美術品ディーラーから転職し、再生資源の卸売を手掛ける「サンウエスパ」の代表取締役である原さん。日本でサービスを展開するだけでなく、カンボジアで厄介者扱いされる水草をエネルギーに変える技術を確立し、国内外で注目される経営者です。ラジオにご出演いただいた後、インタビューにお付き合いいただき、原さんの活動についてお聞きしました。


現在の活動

左から、広報岡野さん、原有匡さん、枡田絵理奈さん、田村社長

――――原さんの現在の活動を教えてください。

原有匡さん:
「岐阜県にあるサンウエスパという会社で代表をしています。古紙や紙くずのリサイクルをしている会社です。企業や行政、市中いわゆる市内から発生する古紙を回収して、それを紙の原料として製紙メーカーに販売する仕事をしています。3年程前に、カンボジアに子会社「アンウエスパ」という会社を立ち上げまして、どちらも未利用なものや無価値なものを再定義するという事業ドメインを掲げて事業展開しています」


――――新たな事業にチャレンジされているということですが、どのようなことでしょうか。

原有匡さん:
「多岐にわたるので、新規事業に限定してお話すると、まず古紙から原料にするということに関して、我々は古紙からバイオエタノールを製造する実証事業というのにチャレンジしました。


古紙は元々植物の繊維(セルロース)からできています。セルロースに酵素を用いて、糖に変え発酵することで、バイオマス由来のエタノールを得ることができるんですね。このエタノールは、従来の穀物由来(小麦やトウモロコシなどを作っているもの)と違って、食料(食べ物)と競合しないんです。結構夢のあるエネルギーだなと思いまして、この事業を当社の新しいフラッグシップにすることに決めて、2016年以来、その方向性で突き進んでいる感じです」


カンボジアでの事業

――――今はどのようなフェーズにいらっしゃるんでしょうか。

原有匡さん:
「日本の規制など様々な事情があり、日本での紙くずからのエタノール製造というのは、実証事業を終えてストップしている段階です。ただ、同時に海外展開なども模索しておりまして、縁あって何度も訪れていたカンボジアで、ホテイアオイという水草の存在を知ったんです。ホテイアオイというのは、日本でも一般的な水草でして、金魚の水槽に浮かべているような水草なんですが、実は南米原産の外来種でして、7カ月で200万倍に増えるという繁殖力があります。


侵略的外来種とも呼ばれていまして、これがカンボジアの水辺に大繫殖しているんです。これをエタノール原料にできて、しかもそれを燃料として使えたら、ものすごく面白い未来になるんじゃないかな、という風に思いましたね。ただ、現時点ではそれを燃料として使おうとすると、ガソリンよりも高くなってしまうので、採算が全く合わないんですね。ならば、いっそお酒にしてしまおうと思ったのが、今の事業に繋がるんです。


エタノールは、飲料用にすると燃料用の100倍~200倍くらいの付加価値になるんですけど、実際エタノールを飲んでも燃やしても化学反応式は全く同じなんです。カンボジアは熱帯アジア産特有のスパイスとかハーブとかの宝庫ですので、それをボタニカルに使って世界的なブームになっている『クラフトジン』。これを作ろうと思いました。これを収益事業とすることで、元々の目的である未利用バイオマスからのエネルギー、ここへの挑戦を持続的に取り組めるようになるというのが、ビジネスの全体像になります」


――――そういったカンボジアでの事業を通じて、環境大臣賞を受賞されたとのことですが、受賞されていかがでしたでしょうか。

原有匡さん:
「これで満足するわけではないんですけど、これまでの取り組みが認められたことは素直に嬉しいですね。何より、古紙の現業を支えているメンバーや、カンボジアで奮闘しているチームに、こういった良い報告ができたことが嬉しいですね」


「未利用なもの・無価値なものを再定義する」

――――株式会社サンウエスパは「未利用なもの・無価値なものを再定義する」を掲げて経営されていますが、その理由はなんでしょうか。

原有匡さん:
「私の考えなんですが、リサイクルの本質は価値だと思っています。リサイクルされる資源とごみの違いは、リサイクルできるかどうかではないんですね。生ごみとかもリサイクルしようと思えばできるんですけど、それをしない理由というのが、リサイクルをした後のものに、より付加価値を与えられるかどうか、だと思っています。

ですので、今は無価値とされているものでも、新しいビジネスモデルを構築することで、価値あるものに生まれ変わるかもしれない、と思っていますし、そうすることで、社会とか地域に貢献していけたらいいなと思って、『未利用なもの・無価値なものを再定義する』を掲げています」


――――最後に記事をご覧になられている皆さんへ応援メッセージをお願いいたします。

原有匡さん:
「みんながそうかは分からないんですが、私自身は意志(will)の力を本気で信じています。はじめは、妄想とか夢物語でもいいんですが、思い続けたり、語り続けたりすることで、たくさんの力が集まってきて、いつの間にか手が届きます。そういったことが今回の事業を通じて、私も非常に実感しました。まずは皆さんも妄想から、はじめてみてはいかがでしょうか」



Epilogue


いかがでしたでしょうか。カンボジアでの事業により生まれた「クラフトジン-MAWSIM(マウシム)」。原さんは前職が古美術品のディーラーということもあり、ボトルまで素敵で、飲んだあとは花瓶などにも使えるようにこだわって作られたのだそうです。そんなカンボジアで作られているクラフトジン、日本でもEC販売されているので、ぜひ一度ご覧になられてください。

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作者プロフィール

田村ビルズグループ 広報
重藤 理子 Riko Shigefuji
山口県宇部市生まれ。生まれも育ちも山口県で、音楽と地元への愛が強いです。地元の音楽フェスには学生の時から毎年参戦。2019年に新卒で田村ビルズに入社し、現在は広報として地元+九州へ田村ビルズグループ内の出来事を日々発信中。

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