フォトグラファー原田祐紀さんに聞く素敵な思い出の撮り方。

左から原田祐紀さん、枡田絵理奈さん、田村社長、広報岡野さん

Nanase Tsukuya/佃屋 七星

現在の活動について

――――現在の活動について教えてください。

原田さん:「お客様から依頼を頂き、ロケーションフォトというものを中心に撮影をしています。ロケーションフォトというのはスタジオの逆という感じで、指定していただいた場所に僕がカメラを持って伺い、写真を撮らせていただいております。今日は福岡で撮影、一昨日は名古屋で写真を撮っていました。全国の様々な場所から依頼をいただきますが、山口県が意外と少ないですね。」

――――フォトグラファーとして独立したのは何年前ですか?

原田さん:「実は、ほんの5年前まで学校の先生で障がい児教育を専門として、支援学校に38年間勤務していました。障がいを持っている子達は『今日学校でこんなことがあったよ。』とか、『こんなことしたよ。』ということを両親に上手に伝えられないことが多いです。高校生でも連絡帳は書きますが、書けることは限られているし伝わりにくいです。何が伝えたいかと言うと、その子が活き活きとしている様子を伝えられる最適な方法が“写真”でした。ある年に、僕が週に1回作成していた学級通信の1年分を修業式の日に持って来られて、『原田先生の写真のおかげで、私は子供のことが本当に好きになりました。この子が学校でこんなに活き活きした顔で活動していることが嬉しかったです。』とお礼を言っていただいて、改めてそこで写真はいいなと思ったことがフォトグラファーになるキッカケに繋がります。写真は綺麗に撮れば撮るほど、人の記憶の中で思い出が美しく保存されるので、より良い写真を撮り続けたいと思っていたらいつの間にか上達していました。」

――――フォトグラファーとして働くことになった経緯を教えてください。

原田さん:「子供達と一緒に学び、子供達が育っていくのを見守り導くことは非常に楽しかったですが、写真にハマるほど『いつかこの写真を仕事にしてみたい。』という欲望が出てきました。何年かその気持ちを抱きつつも、学校の先生をずっと続けるだろうと思っていました。大きな転機があったのが、実家がお寺で僕が長男なのでいずれは住職になるというのが頭の中に常にありました。ふと、学校の仕事をやりきったな、写真の仕事をやってみたいという野望、父親がかなり歳も取っていたのでそろそろ変わるべきだと、この3つを同時に叶えるタイミングかもしれないと思って、47歳で決断し行動に移しました。」

受賞写真の裏話について

――――インターナショナル・フォトグラフィー・アワードのウェディング部門で受賞された写真は“大雨”というシチュエーションでの撮影だったようですが、あれはハプニングでしょうか?

原田さん:「元々雨の中でのウェディングフォトというのが『生まれにくい写真』ですよね。大体スケジュール調整をするのですが、たまたまそのご夫婦が旅行中で、遠方から来られ方だったと言うこともあり『これはチャンスだ。』と思いました。雨の中で写真を撮ることは技術も機材も必要ですので、急遽仲間のカメラマンにも応援を頼んだりして撮影を行いました。」

収録時の様子

――――人物を撮影する上でオススメのシチュエーションや撮影方法はありますか?

原田さん:「僕が撮影中に使わない言葉が『笑ってください。』ですが、無理ですよね。ずっと会話をしながら、心の底から新婦さんは、『可愛いな、美しいな。』と思いながら撮っています。それは顔の並びが美しいだとか、容姿が綺麗だとかそのようなことではなく、『表情が素敵ですよ、今日のあなたは誰よりも輝いていますよ。』と心からの言葉で伝えています。新郎さんには、扱いが雑になっているかもしれませんが…。(笑)撮り直したいというご依頼はすごく多くてですね、先日も結婚10年目のご夫婦が当時撮った写真が気に入らず、今回撮り直しさせていただいて大満足されていました。」

https://www.hrdyuk.net/weddingalbums より

センスより知識

――――撮影をする上で、原田さんが大切にしているポイントは何ですか?

原田さん:「写真はセンスが必要だと思われていますが、全くそのようなことはなくて“知識”が大切です。きちんと学ばれて、言われたことを確実にこなしていく方は間違いなくプロとしてのクオリティは身につきます。例えば身近なスマートフォンでの撮影であれば、スマートフォンは28mm、26mmのいわゆる広角レンズと呼ばれるものですが、僕たちがドラマチックに撮っているものは“望遠レンズ”が多いです。それがスマホで撮影できるかというと、無理です。そもそもスマホで撮影できるのであればこんな大きなカメラを持ち歩く必要もないですよね。(笑)なのでそこに圧倒的な差があります。例えば今のように、レンズの特性を知ることも知識の1つだと思います。」

――――家族や仲間との記念写真をより活き活きとしたものにするコツはありますか?

原田さん:「僕は自撮りが好きですよ。みんなで集まって人に撮ってもらうより、インカメラにして撮ることがよくあります。やはりカメラよりも被写体が大事です。公図も整って光も綺麗で、表情が良くない写真より、撮り方は下手だけど映ってる人がすごくいい表情をしてる写真のどっちがいい写真か、と言うことです。例えば子育て中のお母さんが初めて寝返りをうった赤ちゃんの姿を撮った写真は、決して整った写真ではないです。ですがいい写真だと思いませんか?二度と来ない瞬間を撮った写真が良い写真だと思います。」

――――最後に応援メッセージをお願い致します。

原田さん:「今は選択肢の多い時代だと思います。『一生この会社で働く』という選択肢もあり、『途中で辞めて新しいことに挑戦する』ということもあり、その“挑戦”にもたくさん種類はある、そんな時代に私たちは生まれてきているので、目の前のやりたいことにまずは一歩踏み出して行動してみる、その小さな一歩が、人生における大きな変化を及ぼすかもしれません。ぜひやりたいと思っていることがある場合は、一歩でも踏み出してみてください。」

Epilogue


いかがでしたでしょうか?学校の先生からフォトグラファーに転職された原田さんから、何事にもチャレンジングであることが伝わる貴重なお話を伺うことができました。皆様も、原田さんのホームページから素敵なお写真の数々をご覧くださいね♩

■原田祐紀さんInstagram

■撮影のお問い合わせ・お申し込みはこちらから

■ウェディングフォト作品はこちら

作者プロフィール

田村ビルズグループ 
佃屋 七星 / Nanase Tsukuya
1999年生まれ下関市出身。大学では韓国語を専攻していました。田村ビルズグループの企業理念に共感し、2022年に新卒で入社。歴史が好きで、御朱印帳を持って観光スポット巡りをすることが好きです。

SHARE With

FOLLOW Us